株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
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…渡辺コンサルの独り言…

(2016年1月17日付)

〜立ち食い蕎麦屋と ISO 9001 〜

皆さん、今日は、毎朝寒いですね〜。遅ればせながら本格的な冬将軍が到来! そんな感じです。本当に寒い!こんな時は温泉に入り、炬燵で雪景色を見ながら熱燗をチビチビ・・・。最高ですね!

ところで、 渡辺コンサルティングオフィスには、コンサル先に配付するための規格解説テキスト 「立ち食い蕎麦屋が ISO9001 を導入すると」 という80ページからなる解説本があります。(これは市販しておらず、コンサル先に限り無料で提供しています。) これが、昨年はご存知の通り9001も14001も改正版が出ましたから、当然、全面的に書き直さなければなりません。この書き直しですが、舞台を立ち食い蕎麦屋にするかどうかという問題もあるのですが、もう一つ、解説を物語風にしようかと考えています。何故ならば、規格の原文を載せ、その原文に対して細かく解説するというパターンはいくらでもありますよね。これは業界紙アイソスを見れば毎号何等かの規格解説が出ているのはご存知の通り。ところで問題は! この解説が、“難しい規格” を “難しい言葉で解説する” というケースが大半なのではないでしょうか? 企業の ISO事務局として何年も携わっている人なら別でしょうが、初めて担当した人がこれらの解説を読んでも 「一体なんのこっちゃ?」 で終わってしまうのは当然だと思います。しかし、これでは何の意味も無い。難しいからこそ、誰でも分かり易いように分かり易く解説しないと、いつまで経っても ISOは難しいままです。しかし、この業界のお偉いさん達はそこが分かっていない。その想いがあって、舞台を立ち食い蕎麦屋という身近な題材を基に、「規格のこの文章は、立ち食い蕎麦屋に置き換えるとこういう事になります!」 という意訳のテキストにしたのです。そして、今回の規格改定に伴う 「立ち食い蕎麦屋」 改訂版では、以下のように “会話” を主体にし、しかも規格の条項毎の解説は止め “この会話は規格の何処に該当するのか” という視点で書いてみたいと思います。その触りを書いてみます。皆さん、どう思われますか???

 9.1.3 分析及び評価 

私:社長、昨年度の材料費は全体でいくらですか?
社長:え〜と、1,500 万ちょっとだな。何で?
私:例えば、ミス ・ ロス ・ クレームが原因で、その 1,500 万のうちどれ位買っていますか?
つまり、あるクレームがあって、同じものを全て作り直すとしますよね? という事は、材料費は2倍掛かっている事になります。それがいくら位掛かっているか、把握していますか?
社長:いや、それは分からんな。データは取っていないし、感覚でしかモノを言っていない。ただね、渡邉さん、材料と一言で言うけど、一体どれ位あると思う? 先ず、そうだな〜、数百種類はあるし、それぞれ単価も違うし、一概には言えんよ?
私:そうですよね。全部合算したら、一年間の材料費が 1,500 万だったという事ですよね。でも、昨年一年間の社外クレームが全部で32件、社内の不適合が全部で87件、この社外クレームや社内で発見された不適合発生時に、現場の方々に何の材料をどれ位使ったのか、買い直したのか、材料の購入原価を含めて今後、データを取って貰う事は出来ますか?
社長:あぁ、そりゃ出来るよ。記録を付けさせれば良いんだろ?
私:そうです。社外クレームや社内の不適合が発生したら、何か既存の伝票で良いので、記録とその集計を取って貰いたいです。材料名、失敗した量、買い直した分、そして原価 (材料の購入費) です。
社長:うん、分かった。すぐにやらせよう。○○課長、ちょっと来てくれ!
私:社長、例えばですよ! 1,500 万の材料費のうち、例えば、ミス ・ ロス ・ クレームで 500 万使ったとしますよね。すると、仮に、ミス ・ ロス ・ クレームが前期ゼロだったとすると、粗利 (限界利益) は 500 万増える事になりますよね。
社長:そりゃそうだ。
私:と言う事は、これらミス ・ ロス ・ クレームが少なければ、会社にはもっと金が残っていた事になりますよね。キャッシュが手元に残っていた。
社長:うん、そうだ!
私:という事は、それぞれのミス ・ ロス ・ クレームは何故、発生したのか? という原因を究明し、データを集め、パレート図法でも円グラフでも何でも良いのですが、何等かの分析した結果、例えば、ウッカリミスが全体の30%、確認不足が20%という分析結果が出たとします。とすると、ちょっと乱暴ですが、材料費 500 万の損失のうちウッカリミスと確認不足が原因で 250 万という損失が発生している事になりますよね。
それじゃ、何故、ウッカリミスが発生したのか、確認不足が発生したのか、その原因を突き止め、例えば、作業手順を見直して、作業を始める前に上長と現場担当者が二人で作業指示書を、声を出して読み合わせをするとか、作業の標準化を進め、標準作業を徹底させるとか、作業指示書と図面のダブルチェックをしなければ作業をさせないとか、という再発防止の仕組みを入れることにより、会社の利益を守っていくという仕組みが出来ると思います。当然、現場や社員に対する教育 ・ 訓練に繋がります。コスト意識の醸成という意味でも良いかも知れません。
社長:成程な〜。
私:もっと言うと、例えば、材料費や外注加工費などの変動費だけではないです。人件費はどうでしょう? 残業代を分析してみると先ほどのミス ・ ロス ・ クレームが原因で当然 “残業代” が発生していていますよね。これらの取組みは労務費の削減に繋がります。それから、運送費、補助材料費、ガス ・ 水道 ・ 電気などの間接費・・・、これらが改善されると販管費が圧縮され、今度は営業利益 (率) が改善され、もっと手元に金が残ることになり、今以上に利益体質になってきます。内部留保だって増やしましょうよ! 貸借対象表も変わってくるし、銀行さんに提出する事業計画書 (報告書) だって変わるし、御社を見る目が変わってきますよ。
社長:そうか、ISOというのは、そうやって使うのか。記録、記録で大変だって親しい社長が言っていたけど、こうやって聞いてみると随分違うなぁ。
私:そうなんです。その記録をどう活用するかが大切です。それから今日ご案内した考え方は、損益計算書や財務諸表では絶対に現れない損失が見えてきて、その損失を再発させない、未然に防止する仕組み作り、つまり ISO9001に取り組んでいるからこそ出来る会社経営の手法なのです。

こんな感じで作ってみようと思っています。ただ、立ち食い蕎麦屋の場合、一つだけ困った事があります。

 8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理
b) 製品及びサービスが、組織に代わって、外部提供者から直接顧客に提供される場合。

この部分が該当しません。そこで、舞台を近所のスーパーマーケットにして 「メーカーから直接、顧客へ商品を納入して貰う」 という設定にしようかとも考えています。

さて、仕事も溜まっているし、そろそろ始めなきゃ!
今回はこの辺で。


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