株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
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…渡辺コンサルの独り言…

(2016年1月24日付)

〜顧客満足と品質向上〜

皆さん、今日は、いや〜 大変な雪だったようですね! この 「ようですね!」 という他人事のような言い方には訳があります。「へぇ〜、こんな現象もあるんだ!」 という報告をします。

関東地方が大雪に見舞われ、交通機関に大幅な乱れが生じたのは月曜日の午前でした。あの日、私は船橋 (千葉県内でも東京寄り) のコンサル先で終日会議と作業に追われていたのですが、前の晩からは大雨だは、メチャクチャ寒いはで、「こりゃ予報通りに雪になったら大変だなぁ。」 と思って窓の外を見ていました。ところが! ついに雪にならなかったのです。と言うより雪にならなかったのが不思議なくらい寒かった。果たして昼に食堂へ行くと、テレビでは都内の雪と駅などの大混乱を報じているではないですか! 「えぇっ?こっちは全く降ってないよ!」 って感じで、都内の混乱がまるで嘘のよう。
火曜日は栃木県下今市市、水曜日は群馬県太田市でそれぞれコンサルがあり、東武伊勢崎線や東武日光線で往復をした際の沿線の様子から、どうも北千住を堺にしてその西側と北側に雪があり、東に位置する松戸から南の船橋にかけての狭い範囲は雪が降らなかったようです。こんな事もあるんですねぇ〜。

さて、今週の木曜と金曜は審査でした。印刷部門を持った100名程の専門商社の審査だったのですが、気になる事が有ったのでご紹介したいと思います。
この会社の品質目標です。いくつもの目標を掲げ、各部門がその目標の達成に向けて日々活動をされているのですが、その中に 「品質向上」 があり、具体的な活動として “クレームの削減” を挙げておられました。この点は、年末からの “独り言” でも度々取り上げてきたテーマでもあったので、「クレームが減ることが品質の向上に繋がりますか?」 と経営者面談でお尋ねすると、「弊社の仕事は、お客様の注文通りのものを作ることなので、クレームがあると品質に影響がある」 との主旨の返答でした。これに対して、「例えば、航空会社の品質目標で、“当社は死亡事故ゼロを目指しています” という目標があったら、その会社の飛行機に乗る気になりますか?」 という反論はしたのですが、上手い議論をする事が出来なかった。何故なら、先方の社長さんは、信念をもって 「クレーム撲滅が品質向上に繋がるのだ」 と考えている訳で、「社長、それは如何なものでしょうか?」 とは言えなかったです。そもそも経営者面談は議論する場ではないですから。

外資系の審査機関で審査をしている長年の友人がいます。審査の後、以前から約束があり、久し振りに池袋で飲んだ際にこの話題を取り上げたのですが、やはり、「クレームが無い事が品質では無い」 という結論に達しました。(まぁ、酔っ払いの結論ですが・・・)

彼は医療機関や介護施設の専門性を持っていて、審査の事例も踏まえてこんな主旨の事を言うのです。

その考え方は後ろ向きだ。例えば、当病院は医療過誤 (医療ミス) ゼロを目指します、と言ったらどうする? 例えば、最新鋭の医療技術や医療設備、そして最新の医療情報と経験豊富な医師や看護師を揃え、患者様の状態の治癒、改善に努めます。と言えば、これは品質に該当するだろう?

これは同感です。病気やケガをした人は、自分の病気やケガを治したくて病院や診療所に来る。これが顧客要求事項です。これに対して病院 (診療所) の品質目標が 「医療過誤による苦情ゼロを目指す」 では、安心して自分の身体を任せるわけにはいきません。そもそも “医療過誤による苦情ゼロ” を目指す事が品質向上なのか。先ほども書きましたが、「実績のある信頼される医師やスタッフを揃え、最新鋭の医療技術や設備機器を持ち、患者様が安心して治療を受けられる医療機関を目指す。」 これが品質向上なのではないでしょうか? だからこそ患者はその病院を選択し、お金を払うのだと思います。

大体クレームゼロを目指す事など、どこの会社も取り組んでいる事で、他社との差別化、優位性やブランドの確立、強み ・ セールスポイントの拡大に伴うビジネスチャンスの拡大など、まさに 「リスクと機会」 の話です。自社にしかない独自な製品やサービスをどう生み出し、どう市場に拡販し、顧客満足を向上させ、売上 ・ 利益を増大させるか。その為にはどんな課題 (リスク) があり、それらをどう克服し、チャンス拡大につなげていくか。こう書くと 「リスクと機会」 とは、意欲のある経営者であれば誰でもやっている事ですよね。現状に甘んじているサラリーマン社長も少なからずいますが・・・。

じゃ、自分達の強みとは何か、これを教えてくれるのが 「顧客満足」 です。所謂、CAPDです。PDCAではなく、C = チェックから始める。顧客は自社の製品やサービスをどのように受け止めているのか、これがマネジメントシステムの出発点ではないでしょうか?

さて、以前も取り上げた 「顧客満足 = 売り上げ」 をもう一度取り上げたいと思います。何故か? お陰様で最近、この “独り言” のアクセス数も増加し、多分、新しい読者の方もおられるのでは? と思います。今週伺った企業様にも 「読んでいます」 という方がおられました。そこで、以前も取り上げたこのテーマをもう一度、お伝えしたいと思います。

昨年の秋の審査先の事です。品質目標は 「売上高」 でした。では、果たして “品質” は “売上” か?

「美味いラーメン屋は儲かる。不味いラーメン屋は儲からない。」 これは商売の鉄則です。この審査先の企業では、「売上が上がるという事は、お客様は満足している証拠。」 というのです。そうかなぁ〜?

以前も書きましたね。ラーメン屋に入る理由です。

  1. 本当にこのラーメンが好きで、このラーメンが食べたくて、自分から望んでラーメン屋に来る客
  2. 駅前で、しかもこの時間帯で開いているのはこの店しかないから、仕方なく入った客
  3. 昼休みはいつもこの店。会社から近いし、安いから入るという客
  4. この店のラーメンは太麺、本当は細麺のちじれ面が好きなんだけど、スープはまぁまぁだからと言って我慢して食べている客

どうでしょう。売上 = 顧客満足でないことは、上記の例を見るまでもなく、直ぐに分かることですよね。上記の 2. 〜 4. は、これらを充足するライバル店が出来たら、あっという間に客を取られてしまいます。電車の中や色々な広告を見ても、自分達の品質 = 売るべきものが分かっていない企業が多いなぁと感じます。

ラーメン屋は “ラーメンの味” で勝負しています。ラーメン屋で安売りしている店など見たことが有りません。美味いか不味いか、お客に受け入れられるか否か。極めて単純な、しかし、奥の深い世界で勝負しています。また、安易な “安売り” は反対です。先日のバス事故がそれを証明しているようにも思います。

それでは、あなたの会社のラーメンは “美味いラーメン” ですか? 今回はこの辺で。


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