株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
トップページ
データ経営構築と運用
審査の現場から
内部監査員養成講座
会社案内

…渡辺コンサルの独り言…

(2017年3月12日付)

〜異常原因と偶然原因〜

皆さん、今日は! いかがお過ごしでしょうか? ところで、中々暖かくなりませんね。もう三月も半ばなのに朝晩は冷えます。それでも! 桜の季節は目の前!もう少しの我慢ですね。

ところで、今回の標題ですが、いつも審査先で気になる話があります。例えば、「 3,000 個納入して、1個だけ小さな汚れがあり、クレームとなった。今期のクレーム合計○○件! 」 というような話です。これ! 業種は違っても、皆さんのお仕事でもありませんか? その僅か1個のために、お客様の生産ラインが止まった! わざわざ数人で出向いて全数検査をした! なんて話を聞きますし、反面、こんな事がクレームになるのか? という内容のものもあります。異常なまでの品質要求が高く、本来の製品品質に全く影響の無いものまでクレームとなって膨大なムダが生じています。日本人の品質要求レベルってちょっとおかしいんじゃないの? と思います。

ところで、異常原因と偶然原因という言葉、聞いたことがあるでしょう? 偶然原因は別名 “不可避原因” とも言います。この仕事 (作業) をやる以上、どうしても一定レベルで発生する品質上の不具合です。ある意味で発生は仕方が無いとも言えます。この偶然原因と異常原因を分けて考えないと、とんでもないコストロスに繋がります。例えば、下の図をご覧下さい。

マトリックス表

このマトリックス表ですが、4つに分類出来ます。

Aゾーン:“影響度” も大きく、“発生頻度” も多いゾーンです。これは損失という面で品質異常を考えた場合、何としてもAから外へ出さなければなりません。→の通りです。リスク区分は “回避” で、リスクがあまりにも高く、場合によってはその仕事を中断、廃止せざるを得ません。
Bゾーン:発生頻度は少ないけれど、影響度は重大なゾーンです。場合によっては経営判断が求められる事があります。リスク区分では “移転” ですね。“保険を掛ける” といった対応もあります。
Cゾーン:発生頻度は多いものの、影響度は小さいゾーンです。リスク区分は “低減” が該当します。
Dゾーン:発生頻度も影響度も小さく、リスク区分で言うと “受容” に該当します。

さて、@ と A です。この @ と A を混同して考えてはいけないという事は、もう説明するまでも無いでしょう? 先ほどの例で言えば 3000 個中の1個が、この @ と A のどちらに該当するか? これを考えなければなりません。

@:これは偶然原因です。先ほども述べたように不可避原因とも言います。発生頻度は高いものの、影響度は極めて小さいのが偶然原因ですね。この仕事をやる以上、どうしてもある程度は出てしまう。
A:これが異常原因です。発生した個数はたった1個でも、品質上、いやいや経営上重大な影響を及ぼすのが異常原因です。昨年でしたっけ? まるか食品のペヤングソース焼きそばで僅か1個! 虫が混入していたものが発見され、そのためにまるか食品は数カ月に及び営業を停止しました。これは社会的にみてもインパクトが大きかったですね。前述の通り、場合によっては経営判断が求められるゾーンです。

今日の “独り言” で言いたいのは、発生した品質異常(クレーム含む)が、果たして偶然原因なのか、異常原因なのかを見極めないといけないと言う事です。これを混同して捉え、同じように不適合から是正処置に展 開していると、「本来、必要ではない経費」 が余計に膨らんでしまいます。9001 規格でも 10.2.1 の b) で “処置をとる必要性を評価” という言い方をしていますね。要は、影響度に応じて対応して下さいという事です。
但し、通常ならば偶然原因で済んでいたものが、まさに “異常” なまでに頻発してくると、これは当然 “異常” になってきます。ここにデータによる統計的監視が必要になってきます。

それでは、今日はこの辺で。


Copyright (C) 2006-2007 Watanabe Consulting Office CO.,ltd. All Rights Reserved. | 個人情報保護方針