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…渡辺コンサルの独り言…

(2018年3月18日付)

〜生きている会社、死んでいる会社〜

皆さん、今日は! 昨日のニュースで靖国神社の桜が開花したとありました。いよいよ春本番ですね。昨日は、久し振りに愛用のカメラを持って北鎌倉に行ってきました。円覚寺、紫陽花で知られる明月院、線路を渡って浄智寺を見て回ったのですが、鎌倉から江ノ電、江ノ島エリアと違って観光客も少なく、ゆっくりと見学する事が出来ました。楽しかった。春です。皆さんも小さな旅に出かけてみませんか?

さて、大変に勉強になる本を見つけました。まだ読み始めたばかりですが、マネジメントシステムに取り組む一人の人間として大変に考えさせられています。その本とは東洋経済新報社刊、遠藤功氏の 「生きている会社、死んでいる会社 ― 創造的新陳代謝を生み出す10の基本原則」 です。“会社とは何か” を正面から捉えた、企業で働くまさに万人が読むべき本だと思います。特に、経営者に読んで欲しい本です。

遠藤氏は、はじめにこう言っています。
30年の長きにわたって、経営コンサルタントという仕事をやってきた。その間に大企業、中堅企業、そしてスタートアップ企業など100社を超える会社とそれなりに濃密なお付き合いをしてきた。(略) これだけの経験を積んだのだから、さぞかし経営のことがわかっただろうと思うかもしれないが、それがそうではない。残念な話だが、いまだに 「経営とはなにか」 「会社とは何か」 がわかったとは言い難い。逆に知れば知るほど、わからなくなってくる。(略) しかし、30年かかってわかったことが、ひとつだけある。それは、「会社は生きていなければならない」 ということだ。

「挑戦−実践−創造−代謝」 と 「管理−抑制−停滞−閉塞」

氏は、この本の中で生きている会社とは、「挑戦−実践−創造−代謝」 がある会社だと言います。
「絶え間なく挑戦し、絶え間なく実践し、絶え間なく創造し、絶え間なく代謝している会社」 と言っています。また、「生きている会社とは、未来を切り拓こうという明確な意思をもち、常に自己否定し、挑戦しつづけ、実践しつづけ、創造しつづける会社だ。」 とも言っています。
生きている会社では、新しい価値を見出すための挑戦が繰り返されているというのです。新しい製品やサービスを求め続けている。顧客のニーズや期待に応える新しい価値とは何か? 経営者が理念を明確に示し、熱く語り、社員に話しかけ、組織全体が一つになって燃えている会社、そして、適度な代謝が常に発生している会社が “生きている” と言います。
代謝とは 「捨てる」 「止める」 「取り換える」 「削る」 という事だそうです。常に代謝を繰り返し、過去の成功体験に拘らず自己否定や現状打破を繰り返す。社内を見回してみるとムダなもの、要らないものが沢山あるというのです。これらを見直し、捨てる、止める、変化する気概が必要だというのです。

逆に、死んでいる会社は 「管理−抑制−停滞−閉塞」 に陥っていると言います。

  1. 挑戦よりも管理が優先される。
  2. 現状維持のベクトルが強く、新陳代謝に乏しい。=安住する、傲慢になる。組織が老化する。
  3. 過去の成功体験ばかり語っている。思考停止に陥り、現状否定や自己否定が出来ない。
  4. 課長が部長の顔色ばかり見ている。
  5. 方針がコロコロ変わる。社員は何をやって良いのか分からない。

皆さん、思い当たる節はありませんか? 御社は如何でしょうか? いつの間にか安住していませんか?
でもね、安住している方が楽なのですよね。現状維持も楽ちんです。でも、その会社の空気や雰囲気が上にモノ言えぬ企業風土を作り、停滞や閉塞を生み、結局は組織の弱体化を招き、時代の変化に立ち遅れ、営業上の数字ばかりを追いかけ、粉飾や不正が生まれる、倒産する。こんな例はいくらでもありますよね。

ところで、ISO 9001 の審査員、コンサルタントとして大変に考えさせられる点は、“管理” と “リスク” に対する考え方なのです。

氏は本文の 「3、会社の本質は何か」 で次のように言っています。
―挑戦しなければ創造はできない。
新たな独自価値を創造するためには何が必要か。
それは挑戦である。挑戦しなければ、何も新しいものは生まれない。挑戦こそが会社の生命線である。
挑戦とは「困難なことに立ち向かう」ことである。
そのためには、失敗やリスクを恐れず、常に前を見据え、未来に向かって進まなくてはならない。
高ぶる感情、高揚感が人を駆り立て、やがてその努力の積み重ねが創造に結びつく。
挑戦という気概、行動からしか創造は生まれない。

ISO 9001 : 2015 やその他の MS は、結果として組織の管理を強め、助長させている側面があるのではないか? また、6.1 リスクと機会の 6.1.1 では以下のようにも言っています。

b) 望ましい影響を増大する。
c) 望ましくない影響を防止または低減する。

ISO 31000 : リスクマネジメント−原則及び指針にある “リスク” の定義は 「目的に対する不確かさの影響」 とし、注記1、影響とは、期待されていることから、好ましい方向/又は好ましくない方向に乖離することをいう。としていることから、上記 6.1.1 での文言は、リスクの定義からきている事になります。つまり、リスクヘッジです。しかし、遠藤氏の 「失敗やリスクを恐れず〜」 とあるように、新たな企業価値を産み出すには “絶え間ない挑戦と実践” が欠かせないと言っています。それじゃ、9001 : 品質マネジメントシステム要求事項とは一体何なのか? そもそも、9001 の要求事項には “挑戦と実践” “創造” “代謝” という概念が無い。あくまでも 9001 は 「正確 ・ 迅速 ・ 確実」 に製品やサービスを顧客に提供するためのフレームでしかない。それじゃ 9001 を使って企業経営が出来るのか、というと私は NO!だと思っています。つまり、企業を動かすには 9001 だけでは足りない。今、私が取り組んでいるテーマがこれです。

生き残る種とは
最も強いものではない。
最も知的なものでもない。
それは、変化に最もよく適応したものである。
            −チャールズ・ダーウィン

今日はこの辺で。


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