株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
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…渡辺コンサルの独り言…

(2017年4月9日付)

〜MS、もう一人の主人公〜

皆さん、今日は! もう桜は満開ですね。この前の木曜、金曜と京都、名古屋を廻ってきましたが、どこもほぼ満開でした。先週の月曜日、関東地方は天気が不安定で夕方から雷雨になりましたが、これで季節が変わりましたね。まさに春本番。いよいよ良い季節を迎えました。皆さんは如何お過ごしですか。

最近、私のコンサル先も含めて ISO 9001 (単独) や 14001 との統合 MS の企業向けの説明会が連日のようにあります。その中で、是非、企業様に今後ご検討頂きたいと思っているのが、経理部 (課) の存在です。バランススコアカードの説明を必ず組み込んで MS の説明をしていますが、“財務の視点” は経理の関与が無ければ成り立ちません。また、これは経営者の視点でもあります。ただ、中小、特に零細企業の経営者は、財務 ・ 経理の面は税理士任せ、利益が出ていれば良い、税金は払いたくないと言う社長さんが多いのではないでしょうか?

7日の金曜日に、京都で経営者と財務担当者の2人を相手に 9001 の説明をしましたが、最初は財務担当者が何故、自分も説明を聞かなければならないのか理解出来なかった様子でした。私の話に集中して聞いていない、あっち見たり、こっち見たり、社長の顔を見たり、手帳をめくったり・・・。でも、最期に不適合と是正処置の説明をした時、真剣に聞いて貰えました。

不適合は損失の発生である。クレームだったり、社内の品質異常だったり、色々な形態として現れるが、いずれにしても利益損失であり、是正処置は損失の再発防止である。企業であれば当然の取組みである。

原価は、直接費と間接費があり、直接費は直接労務費、直接材料費、直接経費の3つに分けることが出来る。クレームや社内品質異常、手戻りが発生した場合、少なくとも直接費という面で、どれ位損失が発生しているのかを明確にする必要がある。その製品やサービスの提供に直接関わった人の損失分の労務費 (人 × 時間)、材料費、その製品を製造するために使った経費 (金型 ・ 治工具作成費、運搬費等) ・・・。これらがムダな経費が明確になれば、目標値 ( KPI = 部や課、各自が取り組むべき指標) が明確になり、その達成に向けて自分は何をしなければならないのか? が明確になります。その達成の阻害要因 (リスク) を考慮したアクションプラン (活動計画) を設定し、4Q 毎にその達成度評価を行う。この仕組みが欲しいですね。

例えば、ある年度の労務費が1万円だったとする。このうち、あのクレームやあのトラブル、手戻りが無ければ労務費は8千円で収まっていた筈である。労務費が8千円で収まっていれば、営業利益は2千円増える筈で、財務体質は改善され、また、原価も低減出来て競争力もUPするし、顧客の値引き要請にも耐えられる。また、当然の事ではあるが、企業の手元により多くのキャッシュ (流動性が高い) が残る。

それでは、この2千円の労務費 ⇒ “本来は不要な経費” は、一体いつ、どこで、どのように、そして何故生まれたのか、この原因を究明し、分析をし、再発防止策を講じ、その有効性をどのように見ているのか?

こういった説明をした時、財務の人は真剣に聞いてくれました。何故、急に自分が呼ばれたのか? やっと分かったといった感じでした。まぁ、僕の説明も順番が悪かったのかも知れませんが・・・。

でも、皆さん、このような視点でマネジメントシステムを見た時、別な面が見えてきませんか? つまり、MS の適用範囲 (運用) に経理部 (課) を入れるべきであると、私は考えています。経理を入れない方がおかしい。お金を扱う立場から、各プロセスを見た時に企業が意図した結果が出ているのか? 年度初めの計画の達成に向けて順調に進展しているのかいないのか? 目標管理を行ううえで経理の存在は必須です。

昨年、あるメーカーさんの審査で、次のような指摘をしてきました。そのメーカーさんは、総務課が経理を兼ねています。審査で総務課さんを審査した時の事でした。彼女は、各現場から資材の購入依頼の伝票と資材の単価表を持っていましたので 「ちょっと見せて下さい」 と言って、各現場からの発注依頼伝票を見せて貰いました。

<糊の製造プロセスの監視及び測定 ( 8.2.3 ) : 2008 年度版>

パラパラとめくっていくうちに一つの事に気が付きました。糊を作る部署から毎月一定の (糊の) 原材料の購入依頼が出ているのです。2種類の原材料を毎月購入しています。ちょっとスマホの電卓を使って計算してみると何と! 毎月250万円です。受注 ・ 生産量の増減に関係なく、毎月250万円! 何故?
これを、終了会議で聞いてみました。「皆さん、糊が毎月250万円必ず購入されていますが、知っていますか?」 と尋ねると、誰も知らないと言う。この糊代250万円はまさに直接経費です。そして、プロセスの監視及び測定そのものですね。何故、毎月固定で250万円の糊が必要なのか????

この250万円のうち、良品として使われ、販売されるものが大半だとは思いますが、中にはクレームや社内不良で廃棄されるものが有る筈で、それがどれ位あるのか? すべて良品に使われているとは考えられない。ここにマネジメントシステムと経理の繋がりがあり、9.1.3 分析と評価があり、経営者のためのマネジメントシステムがあります。売上、特に利益を出すのが企業の至上命題だとすれば、250万円の使途の分析と削減に取組んだ場合、その推移を資金の面で把握出来るのが経理 (総務) です。

私は、企業への規格説明会で、「マネジメントシステムは適合性から “経営のためのマネジメントシステム” へ180度変わりました。」 と説明しています。企業として “意図した結果” を達成することが求められています。営利を追求する民間企業ですから、意図した結果とは売上 ・ 利益の達成が当然であり、そのための顧客満足です。品質とは “製品品質” であり、“サービス品質” で、この “品質” は顧客満足に直結しています。
美味いラーメン屋は儲かり、不味いラーメン屋は儲からない。

如何にして顧客が満足する製品品質やサービス品質を達成し、顧客満足を高め、売上 ・ 利益 (営業利益) を達成していくか! これこそバランススコアカードの4つの視点そのものであり、その視点の監視及び測定に経理は欠かせない存在です。MSのもう一人の主役とはそう言う意味です。

今日はこの辺で。


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