株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
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…渡辺コンサルの独り言…

(2016年5月15日付)

〜名著「失敗の本質」〜

皆さん、今日は、いやぁ〜、日差しが強くなってきましたねぇ。先日まで寒い、寒いと言っていたのに桜の季節ももう終わり、鮮やかな季節の移ろいを感じます。さぁ、これから初夏、良い季節です。そろそろ夏休みの計画を立てないと!

さて、私事ですが5月19日は弊社の創業記念日です。しかも10周年。お陰様で10年やってきました。色々と苦しい時期もありましたが、ここまで何とかやってこれたのは多くのお客様のご支援の賜物。5月1日から11期目が始まっていますが、また頑張っていきたいと思っております。今後とも宜しくお願い致します。

本題! 新聞紙面を見ると毎日のように三菱自動車の件が報じられています。結局、日産の傘下に入り、彼らは自分達の会社を守ることが出来ませんでした。今後、三菱自動車の従業員や下請け企業はどうなるのでしょう?
2〜3日前の朝日新聞に 「モノ言えぬ風土」 という言葉が出ていました。この 「モノ言えぬ風土」 って、今までの企業犯罪が報じられる毎に度々出てきた言葉です。皆さんも聞いたことがありますよね? 上に対して批判することが許されない、自由にモノが言えない閉鎖的な企業風土。こういう企業風土は時としてメリットもあるのかも知れませんが、往々にしてデメリットの方が大きい。この閉鎖的な企業風土はデメリットが大きいという事は、皆、分かっていても自分の事として直すことが出来ない。今回の三菱自動車に限らず、企業犯罪が報じられる度に日本人特有の思考パターン、日本人ならでは特質を感じることが多いです。いつの間にか陥っている日本人の悪い癖。気質。我々はそこに気付かないといけない。

−失敗の本質

「失敗の本質」 とは、ダイヤモンド社から 1984 年に出版された本で、サブタイトルに 「日本軍の組織論的研究」 とあり、戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎各氏の共著です。その紹介には 「大東亜戦争における日本軍の組織的な失敗を分析した書籍。何故開戦に至ったかではなく、開戦後の日本の作戦における 「戦い方」 を対象に、組織としての日本軍の失敗を研究している。その考察は現代日本の組織にとっても教訓となる事が多い。」 と紹介されています。

今回の独り言は、この名著 「失敗の本質」 (少し分かり難いと言われています) を分かり易く解説した 「超入門 失敗の本質」 鈴木博毅著をご紹介したいと思います。「現代日本の問題と重ね合わせて23のポイント、7つの視点からダイジェストで読む」 とあります。キーワードと合わせて7つの章立てと23のポイントをご紹介します。反省させられます。この反省を活かしてこそ、グローバルな現代に企業は生き延びていくことが出来ます。

日本人は今こそ、過去の失敗から学ばなければならない。

最前線が抱える問題の深刻さを中央本部が正しく理解できず、「上から」 の権威を振り回し最善策を検討しない。部署間の利害関係や責任問題の誤魔化しが優先され、変革を行うリーダーが不在。「失敗の本質」 で描かれた日本組織の病根は、いまだに完治していない (略)

さて、7つの章立てと23のポイントを列挙します。

第1章 : 戦略性 なぜ 「戦略」 が曖昧なのか?
01 戦略の失敗は戦術で補えない。
02 「指標」 こそが勝敗を決める
03 「体験的学習」 では勝った理由が分からない。
04 同じ指標ばかり追うといずれ敗北する。
第2章 : 思考方 なぜ 「日本的思考」 は変化に対応できないのか?
05 ゲームのルールを変えた者だけが勝つ
06 達人も創造的破壊には敗れる
07 プロセス改善だけでは、問題を解決できなくなる。
第3章 : イノベーション なぜ 「イノベーション」 が生まれないのか?
08 新しい戦略の前で古い指標は引っくり返る
09 技術進歩だけではイノベーションは生まれない
10 効果を失った指標を追い続ければ必ず敗北する
第4章 : 型の伝承 なぜ 「型の伝承」 を優先してしまうのか?
11 成功の法則を 「虎の巻」 にしてしまう
12 成功体験が勝利を妨げる
13 イノベーションの芽は 「組織」 が奪う
第5章 : 組織運営 なぜ 「現場」 を上手に活用できないのか?
14 司令部が 「現場の能力」 を活かせない
15 現場を活性化する仕組みがない
16 不適切な人事は組織の敗北につながる
第6章 : リーダーシップ なぜ 「真のリーダーシップ」 が存在しないのか
17 自分の目と耳で確認しないと脚色された情報しか入らない
18 リーダーこそが組織の限界をつくる
19 間違った 「勝利の条件」 を組織に強要する
20 居心地の良さが、問題解決能力を破壊する
第7章 : メンタリティー なぜ 「集団の空気」 に支配されるのか?
21 場の 「空気」 が白を黒に変える
22 都合の悪い情報を無視しても問題自体は消えない
23 リスクを隠すと悲劇は増大する

今、改めてこの本を拾い読みすると 「日本人は何故こんなに愚かなのか?」 と思わされる内容ばかりです。まさに日本人の一番悪いところが出た戦争だった。そして、大東亜戦争当時と今の日本人はちっとも変っていないなぁと思わされます。経営者や企業幹部に読んで欲しい一冊。是非、ご一読されると良いと思います。

最後にもう一つ。2015年9月26日付朝日新聞 「天声人語」 の冒頭の一節をご紹介して終わりたいと思います。

戦前の日本は、どのようにして先の戦争に突入していったのか。政治学者の丸山真男は、敗戦直後に執筆した論文で喝破している。「何となく何物かに押されつつ、ずるずると」 これは驚くべき事態だ、と。ナチスの指導者は開戦への決断をはっきり意識していたに違いない。しかし、日本では、我こそが戦争を起こしたという意識を持つ指導者がいない。日本では主体的な責任意識が成立するのは難しい―丸山の苦い診断である。

事なかれ主義 : 「長いものには巻かれろ」 「臭いものには蓋」 「言われたことだけをやれば良い」

マネジメントシステムをいくら構築しても、結局、組織を動かすのは人です。その人達がいつの間にか悪い癖に陥り、その場の空気に押され、閉塞的な企業風土となり、企業犯罪を起こし (指示 ・ 黙認 ・ 従属)、新たなイノベーション (変革) を起こすことも出来ずに敗北 (失敗) していく。一体、何をやっているのでしょうか?

今回はこの辺で。


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