株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
トップページ
データ経営構築と運用
審査の現場から
内部監査員養成講座
会社案内

…渡辺コンサルの独り言…

(2017年5月21日付)

〜ある新聞記事より〜

皆さん、今日は! このところ少し曇りがちで気温も低めでしたが、この2〜3日はまた暑さがぶり返しましたね。いや〜暑い、暑い! 電車の中も冷房を効かせ、少し寒い位でした。昨日も神奈川県は平塚まで行ってきましたが、片道2時間掛かります。冷房の効いた電車内で2時間、上着を持って行かなかったので辛かったです。

さて、先日のGWの最中、5月3日の朝日新聞朝刊に次のような記事がありました。見出しは 「三菱重工 最後の大型客船 出港」 です。

三菱重工業が長崎造船所 (長崎市) で建造してきた大型客船 「アイーダ ・ ぺルラ」 が3日、欧州に向けて出港した。大型客船事業は巨額損失を理由に昨秋、撤退を決めており、この船が最期の大型客船になった。
独アイーダ ・ クルーズ社から約1千億円で2隻受注したのが2011年。大型客船は11年ぶりの受注だったため、建造ノウハウが足りず、無線LANの整備や欧米人好みの装飾などの点でつくり直しも相次いだ。納期が1年遅れた結果、計2540億円の特別損失を計上した。

皆さん、この記事どう思われますか? ISO 9001規格要求事項の何処を満たしていないのでしょうか?

実は私、昨年末に長崎に旅行に行っており、その時、実際にこの船を見ています。観光バスのコースに軍艦島を対岸から見る行程があり、向かう途中に対岸からこの大型客船を見てきました。その際、ガイドさんから以下の驚くような説明を聞いています。およその説明は以下の通りです。

皆さん、あそこに大型客船が見えるでしょう? あれは大変な損失を出しているのです。三菱重工は、当初、内装を全部日本製の家具や調度品で作りました。ところが、先方は、「家具はドイツの○○社製、ベットはフランスの○○社製・・・」 という事を言ったそうで、それで全部作り直したそうです。

細かな言葉の端々は忘れましたが、凡その案内は以上の通りです。この施主の言葉を聞いた三菱重工担当者の驚きは容易に想像出来ます。それこそ天地をひっくり返すような驚きだったと思います。しかし、こんな重要な事を、何故、ひと言、営業プロセスや設計段階で確認しておかなかったのか? つまり、顧客要求事項の明確化と確定で、極めて単純な話。「日本で作るんだから、家具調度品は日本製」 という思い込みがあったのではないでしょうか? また、無線LANの整備とありますが、これは要求事項の変更という事で、もしかしたら追加の工事費位で済んだかも知れない。

そもそも記事にありますが、「大型客船の受注は11年ぶりの受注で建造ノウハウが足りず・・・」 これもちゃんと規格要求事項にありますよね。契約や企画提案をする前に顧客要求事項に本当に対応出来るのか否か、確認しろ! と要求事項に書いてあります。大体、こんな事は商店街のオジちゃん、オバちゃんだって毎日やっている事で、お客さんの注文に本当に対応出来るのか否かの確認は、商売の基本中の基本です。何故、出来もしない仕事を受けたのか? 特別損失2540億円は授業料としては高過ぎます。大型客船事業からも撤退! 何をやっているのか?

私は、マネジメントシステムについて、こんな説明をする時があります。
「皆さん、車を運転するときに道路交通法を見ながら運転しますか? それから昔懐かしい、教習所で教則本を貰いましたよね。教則本を見ながら運転しますか? しませんよね? 何故なら力量が有るからです。
しかし、もし、仮に交通事故を起こしたとします。その時、初めてルールが出てきますよね。法律はどうなっているのか、どちらに責任があるのか? 原因は何処にあるのか?

品質マニュアルや二次文書も同じなのです。お客さんからのクレームや社内トラブル、品質異常等が発生した時、是非、品質マニュアルや二次文書を開いてみて下さい。どこに原因があるのか? 何を守らなかったのか? 必ず何処かに書いてあります。そこに不確かさ=潜在的なリスクが見つかります。(ね? 良い事言うでしょ?)

「正確」 「迅速」 「確実」

いつも言うのです。ISO 9001も14001も 「正確」 「迅速」 「確実」 を求めていると! 正確な仕事をしましょう。迅速に、早く仕事をしましょう。確実な仕事をしましょう。全て生産性の向上を求めているのです。ムダやロスの無い、間違いの無い仕事は利益の確保や創出に直結します。だからこそ 4M = 人財の育成であり、作業の標準化であり、材料の受入検査であり、機械のメンテナンスなんでしょう? これらは生産性の向上であり、原価低減活動に他なりません。そして競争力の強化であり、顧客満足にも繋がります。

この点が全く経営者に伝わっていないのでは? と思えて仕方が有りません。「何? 規格の改訂? そんなものやって何になるのか? また金が掛かるのか? ISOなど止めてしまえ」 という声が聞こえてきそうな気がするのです。本当に身が縮む思いです。

最後は愚痴になりました。今日はこの辺で・・・。


Copyright (C) 2006-2007 Watanabe Consulting Office CO.,ltd. All Rights Reserved. | 個人情報保護方針