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…渡辺コンサルの独り言…

(2015年5月31日付)

〜マネジメントシステム(MS)を使いこなす、とは? 第2回〜
不適合製品と是正処置・予防処置について(その1)

不適合発生から文書改訂・教育の実施と効果確認まで

不適合発生から文書改訂・教育の実施と効果確認までフロー


皆さん、今日は、如何お過ごしでしょうか?
先週後半、審査の仕事で大阪の天神橋に行って来ましたが、暑い! 暑い! 猛暑でした。初めて天神橋商店街を歩きましたが、“日本一長い商店街” と言われるだけあって大変な賑わいでした。

さて、今回は不適合に関連して、内部監査やマネジメントレビュー、教育・訓練といった条項を検証しようと思っていたのですが、その前に、是正処置と予防処置(2008年度版で言う)について少し検証しておこうと思います。予定変更! すいません。

前回もお話ししたのですが、「不適合の発生は企業損失の発生、信用の失墜の発生」であると審査でご説明しています。親父の代から付き合っている企業ならいざ知らず、取引が始まって間もない時の重大なクレーム(事故含む)は命取り。取引先から「あの会社は大丈夫か? 次は他を使おう。」という事になれば一大事!結局、重大なクレーム(社内不適合含む)が発生すると利益も失い、信用も失い、最悪は取引まで失いかねない訳ですから、やはり、再発防止を行うのは当然! 予防処置は企業存立の大前提!という事になります。

ところで、不適合と是正処置は一連のものでしょうか?

9001:2008 を見ると一連のものとは捉えていませんね。8.3 不適合製品の管理では、不適合製品の処理に関する手順の確立、処置の仕方、不適合の性質(特採含む)の記録等を要求はしていますが、8.5.2 是正処置にあるような原因の究明や再発防止策の計画、承認、実施と効果の確認、そしてこれら一連の活動の記録については、全く要求していません。つまり、明確に“別物” としています。不適合が発生したら、必ずしも是正処置や予防処置をしなければならない訳ではないのです。怪我(損失)の程度に応じて! という事ですね。

ところが、2015年版(DIS版)を見ると、以下のように10.2 不適合及び是正処置として一つの条項に纏めています。(一部抜粋)

10.2.1 苦情から生じたものを含め、不適合が発生した場合、組織は、次の事項を行わなければならない。

a)その不適合に対処し、該当する場合には、必ず、次の事項を行う。
1)その不適合を管理し、修正するための処置をとる。
2)その不適合によって起こった結果に対処する。
b)その不適合が再発又は他のところで発生しないようにするため、次の事項によって、その不適合の原因を除去するための処置をとる必要性を評価する。
1)その不適合をレビューする。
2)その不適合の原因を明確にする。
3)類似の不適合の有無、又はそれが発生する可能性を明確にする。云々・・・。

b)の「〜その不適合の原因を除去するための処置をとる必要性を評価する。」を見ると、原因を除去するための処置、つまり、“是正処置、又は予防処置(2008年度版)の必要性の評価” を要求している事から、必ずしも不適合の発生=是正処置、予防処置と言っている訳では無いと判断出来ます。しかし、ニュアンスとしては、2008年度版よりも不適合発生に対する是正処置、予防処置実施の要求が強くなった印象を持つのは、果たして私だけでしょうか?

因みに、不適合製品の処置に関する管理について、DIS版は、2008年度版に比べて大きな変化があると考えています。それは・・・、「8.3 不適合製品の管理」(2008年度版)の前文に「不適合製品の処理に関する管理及びそれに関連する責任及び権限を規定するために、“文書化した手順” を確立しなければならない。」とあります。この“責任及び権限” について、2015年度版(DIS版)の「10.改善」全体で一切触れていません。確かに、5.3 組織の役割、責任及び権限(DIS版)で言及はしているものの、システム構築の中で希薄になるのでは、と懸念しています。何故なら、前回も書いたように、不適合がなかなか減らない組織の傾向として、不適合から是正・予防に関する“責任及び権限” が不明瞭である場合があるからです。

企業が有る程度の規模になったのに、依然として町工場レベルから抜け出せない企業があります。この点で悩んでいる企業は、先ず、組織が確立されているか、責任及び権限が明確になっているか、改めて検証しても良いのでは? システム的に、機動的に組織を動かすには役割分担が明確になっている必要があります。野球でも、サッカーでも、チームでやるスポーツは同じですよね。

さて、今回はこの辺で! 不適合の発生から是正処置、予防処置に関するフロー図を載せておきました。興味のある方は見てやって下さい。尚、是正処置や予防処置の有効性のレビューには、教育・訓練の有効性の評価も含まれることは言うまでもありませんね!


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