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…渡辺コンサルの独り言…

(2015年6月7日付)

〜マネジメントシステム(MS)を使いこなす、とは? 第3回〜
あのミス・ロス・クレームさえ無ければ!

もう6月ですね。沖縄から九州南部はもう梅雨入り! 雨が少なかった5月に比べ、これからは傘のシーズンです。あ〜ぁ、梅雨明けが待ち遠しい・・・、というのはちょっと気が早すぎますよね。

さて、今回は 「固定費」、特に人件費とマネジメントシステムの関係を考えてみたいと思います。

企業を経営していくうえで必ず掛かる経費=費用には 「変動費」 と 「固定費」 があります。
その定義は、
「変動費」=売上に比例して増減する費用
「固定費」=売上の大きさに関係なく一定の額だけ掛かる費用

この 「固定費」 は人件費+経費に分解されますが、固定費の中で一番大きな割合を占めるのは当然、人件費です。人件費には給与(残業代含む)や賞与、退職金、福利厚生費、通勤交通費などが含まれます。また、経費には広告宣伝費や交際費、社屋の家賃、水道光熱費、事務消耗品などが該当します。尚、固定費は小さければ小さい程利益が出易いと言われます。

今回のテーマはこの 「人件費」 です。特に、残業代を含む “給与” に着目しました。
前述しましたが、「あのミス、ロス、クレームさえ無ければ、今期の営業利益率はもっと良かった。」 つまり、手元にもっと金が残っていた! ここがポイントです。

1人の従業員が、仮に、一日8時間働いて月20日勤務とすると、総労働時間は160時間です。これに残業時間が一日2時間とすると残業時間は計40時間、合計月200時間働く事になります。
従業員が10人の会社で全員が毎月40時間の残業をすると、総残業時間は400時間/月。100人の企業では4、000時間/月の残業が発生する事になります。これを人件費に換算すると・・・、さて、いくらになるでしょう? 現実には三六協定や休日出勤など、この数字に “割増” が掛かりますから、経営者にしてみればドンドン売上が伸び、利益が出ていればまだしも、厳しい経営下では神経質にならざるを得ない数字だと思います。

さて、問題はこの残業時間の中身。つまり、何故、残業が発生するかという事です。その原因が、“注文が多く、生産が間に合わない” という事であれば、経営者も 「ドンドンやってくれ」 となるのでしょうが、逆に、ミス、ロス・クレームが原因で 「明日の朝8時までに納品しなければならない。今夜は製造から検査まで10人が深夜まで残業! 終わるまで帰れない。」 というのでは、一銭の利益も出ない作業に膨大な金をつぎ込んでいる事になります。当然、材料費も水道光熱費も掛かります。経営者(層)は当然、「何をやっているんだ!」 という事になりますが、ちょっと待って! ここは冷静に。

ミス・ロス・クレームの原因を究明してみましょう。どこに間違いの原因があったのか? 営業か、製造業務か、製造部門(各工程)か、検査か、出荷か、それとも工場内の連絡ミスか・・・。
そして、何よりも再発防止をするためには何をしなければならないのか。どうしたら未然に防止が出来るのか? 4M=教育・訓練(人)、作業の標準化とその徹底(メソッド)、設備・機器のメンテナンス(マシン)、材料(マテリアル)。さらには、労働安全衛生、情報セキュリティ、環境側面など考えなければならない事はいくらでもあります。

さらに、マネジメントシステムを使いこなすには・・・

皆さん、8.2.3 プロセスの監視及び測定の対象に残業時間(代)は入っていますか? 材料費も電気代も外注費も、ミス・ロス・クレームを原因としたものはどれ位発生しているか、捉えていますか?
また、生産した製品毎に収支は捉えていますか? 赤字となった製品は何故、発生したか、原因は捉えていますか? サービス業であれば標準作業時間と実績との乖離があります。皆、プロセスの監視・測定ですよ!

そうそう、これに関連し、経理部も “負の計算” をしなければなりません。人件費(正規の労働時間+残業代含む)に材料費、ガス・水道・電気、事務・運送コストなど、直接費や間接費の部分です。マネジメントシステムに経理部は除外されている企業が殆どですが、私の考えは逆で、経理部は入れて考えた方が良いと思います。経理を除外して考えるからダブルスタンダードになると思いますが、皆さんはどう思いますか?

  1. あのミス・ロス・クレームを原因として、いつ、どこで、何が、いくら位の損失を出したのか?
    現場でデータが集計され、分析され、優先順位が付けられ、対策を計画・実施し、有効性を確認する。
  2. 内部監査で改善状況と問題点が把握され、そして経営者(層)に報告され、改善指示が出される。
    これが経営と一体となったマネジメントシステムの使い方であり、データ経営、システム経営です。ISOを導入しているからこそ可能になる経営分析ですよね!

何れにしても、これらが 「損益計算書」 の数字の裏に隠れている負の数字=経費です。つまり、材料費、外注加工費、販売管理費などの該当する勘定項目からこれら “負の数字” を差し引くと、正しく生産された時に出る本来の “営業利益”、そして本来の 「損益計算書」 が姿を表します。

社長さん、この数字、関心は有りませんか? 御社のマネジメントシステム、形骸化していませんか?

今回は以上です。また次回!


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