株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
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…渡辺コンサルの独り言…

(2015年7月4日付)

〜購買プロセス〜

皆さん、今日は。梅雨空が続きますね。今日は神奈川県平塚市で仕事のため自宅を出たのですが、物凄い湿気で、まるで水の中を歩いているような、そんな感じです。でも、神奈川に入ったら青空が見えてきました。太陽が懐かしいです。皆さんのお住まいの地方では如何ですか ?

さて、これも以前から書きたかった “購買プロセス” です。この 7.4 も誤解が多く、活かされていない条項です。例えば、審査先で購買先の評価を見ると、毎年1回すべての供給者を評価している企業さんが、いまだに有るのです。これはビックリですね。規格要求事項を改めて読んでみて下さい。毎年1回、すべての供給者を評価しろ ! など、何処にも書いていません。

規格に書いてあるのは 「選定、評価及び再評価の基準を定めなければならない。」 とあるだけです。

多分、その企業が最初にISOの認証取得をした際に、コンサルタントからそう言われて、その後何年もこのように供給者全社を評価し続けたのだと思います。コンサルタントの理解不足も甚だしいです。

話は大きく本題から逸れますが、我々コンサルタントはISOのマネジメントシステム導入にあたり、企業さんの負担を考慮したシステム作りをしなければならないと思うのです。ただ単に認証を取得すれば良いというものでは無いと思うのです。マネジメントシステムを導入する事により、その会社の発展に寄与しなければならない。そういう責任があります。しかし、コンサルタントや審査員の理解不足のため、企業の運営担当者に無用な負担を掛けてしまう。有りがちですが、これは絶対に避けるべきと考えます。

「マネジメントシステムは金を生むのに必要だが、それ自体は金を生まない。」

先日も、ある工場 (社員60名余) に審査で行き、以下の2つの客観的事実に基づきコメントをしました。

  1. 2台のダイヤルゲージの社内校正 (それぞれ年3回) の都度、一枚ずつ校正成績表を作成している。
  2. 教育・訓練の都度、その課の受講者 (10数人) の全員の名前 (フルネーム) をPC入力し、日付、教育内容と共に記録に残している。

皆さん、この様子、どう思いますか ? しかも、これらは人件費の高い課長職の方々が行っているのです。 (所謂、残業代が付かない人達です。) 例えば "1" などは、2台のゲージの校正記録1年分を一枚で済ます事はいくらでも出来ますよね ? また、"2" にしても教育 ・ 訓練記録のフォーマットに、在籍している要員の名前全員分を最初から入力し、そこにチェックボックスを付けておけば、記録の手間が少しでも省けますよね。何人かの課長さんに伺ったら 「ISOに関わる時間が大変だ。」 と言うのです。そこで 「どうやったらISOの維持に関わる作業時間を短縮するか、工夫して下さい。」 と言いました。事務作業は間接部門の仕事であり、それ自体は一銭の金も生まない作業だからです。課長さん、少しでも現場に行きましょう !

審査員もコンサルタントも、規格要求事項の意図を十分に踏まえ、企業の負担軽減=生産性向上に寄与する活動をしたいものです。さて、本題に戻りましょう。QMSの2015年度版では、“供給者” に対する要求事項が増えました。この件は次回に回すとして、今回は2008年度版の7.4に絞って話をしましょう。言わんとしている事は同じですから・・・。

供給者に対し企業は何を期待し、何を依存し、何を求めているのか ? 結論は 「その会社に仕事を出して、ウチの利益は出るのか ? 安心して任せられるのか ? 品質面、安全面、納期や価格。大丈夫か ? 」 という事だと思います。こういった目で、購買担当者は仕入先を見ている筈だし、これはQMSを導入しているか否かは関係ないと思います。また、問題が発生すればすぐに対応し、再発防止を求め、他の購買担当者と情報共有をする筈です。

規格は 「選定、評価及び再評価の基準を定めろ。」 と言っていますが、下記 1〜4 について、企業は、特に問題が無ければ同じところを使い続ける、というのが一般的 ・ 現実的では無いでしょうか ? という事は ! 「何か問題や大きな変更があったら評価する。」 これでも良いですよね。これも基準です。

  1. 価格面で協力してくれ、さらに、品質面、短納期にも応えてくれる。
  2. 自分達に無い知識 ・ 技術・設備 ・ 規模を持っている。
  3. 自分達よりも技術レベルは若干下がるが、忙しい時に支えてくれる。
  4. 親父の代から付き合っているので、特に問題も無いし、変える理由が無い。etc.

そうすると、購買先評価規程 (基準) は、こんな感じになりますか ?

  1. 定期的には3年に1回、基本的な評価を行い、問題が無ければ継続取引とする。
  2. 納入に大きな問題が発生するか、大きな変化 (社長交代、新規設備の導入、新製品の開発等) が発生した際に、その時点で再評価を行う。必要に応じて現地を訪問し、品質面など問題無いか確認する。

時々、評価項目に 「経営面は問題ないか ? 資金繰りは問題無いか ? 労務問題は ? 」 と言った項目を設けている企業がありますが、どうやって評価しているのか ? 良く分かりません。現実的ではないように思えます。

審査での質問 !
審査で訪問した際に、気になるのが “購買先の評価プロセス” に対するインプット (客観的事実) とアウトプット (何に、どう活用するのか) が不明な点です。

質問 : 供給者の評価は何に基づき評価しましたか ? この評価は何に使いますか ?

皆さん、この質問に答えられますか ? 8.4データ分析 d ) 項にも供給者とありますが、どうやって分析していますか ? 形骸化していませんか ?

さて、企業はいつ、供給者を選定し、評価し、再評価する必要があるのか ? これは次回にしましょう。

今回は以上です。


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