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…渡辺コンサルの独り言…

(2017年7月9日付)

〜生産性向上と機会について(その1)〜

皆さん、今日は! ところで、北九州の豪雨は大変な事になりましたね。雨ってこんなに長く降り続くものなのでしょうか。「何とかならないのでしょうか?」 とも思います。多くの亡くなられた方もおられます。さぞ無念だったでしょう。小さなお子さんも・・・。ご冥福をお祈りするばかりです。それから、被災された方々の今後の生活再建は大変で、一日も早く平穏な生活に戻られることを祈念致します。それにしても残酷です。

さて、先ずは “機会” です。SWOT 分析では4つの区分で分析をします。外的な要因としての脅威と機会、内的な要因で強みと弱みですね。9001 規格で云っている機会というのは、SWOT 分析で云う機会とは、一見ちょっと違う事はご存知のとおりですね。何故なら、外的要因は市場動向や法改正、技術革新、外国為替など自分達の手の届かない要素を分析しているからです。ところで、この辺りを上手く説明しているのが 9001 規格の解説です。少し長文ですが、0.3.3 リスクに基づく考え方 ( 9001 : 2015 規格 4 n) に以下のような説明が有ります。
*この説明は、今回と来週の2回に分けますので、ご留意願います。

「機会は、意図した結果を達成するための好ましい状況、例えば、組織が顧客を引き付け、新たな製品及びサービスを開発し、無駄を削減し、又は生産性を向上させることを可能にするような状況の集まりの結果として生じることがある。機会への取組みには、関連するリスクを考慮することも含まれ得る。リスクとは、不確かさの影響であり、そうした不確かさは、好ましい影響又は好ましくない影響をもち得る。リスクから生じる、好ましい方向へのかい (乖) 離は、機会を提供し得るが、リスクの好ましい影響の全てが機会をもたらすとは限らない。」

う〜ん、難しいですね。まるで禅問答のようです。ちょっと下の図をご覧ください。

図

この図の中で、左下の “現在” から右上の “経営目標” まで黒い実践が伸びていますが、これが本来の事業計画です。意図した結果を出すための計画です。
リスクとは、計画段階で織り込むものとした場合、この事業計画に対してプラスのリスクとマイナスのリスクが有ると考えられます。

プラスのリスク : この図でいう「機会」→好ましい影響
マイナスのリスク : この図でいう「リスク」→好ましくない影響

リスクとは不確かさの影響であり、その不確かさは好ましい影響も好ましくない影響もあると言っています。

さて、この図にある “機会” ですが、私はいつも以下のような説明をしています。一見、好ましい影響に見えますが、結果は? この手の話は実際に有りますよね。

A社は、日頃の営業努力の成果が表れ、大手メーカーから非常に大きな仕事を受注することに成功しました。A社は、いつも豊田製造所と日産工業に仕事を出しています。ところが今回、今までにはないような大きな仕事が取れたので、いつもは頼んでいない本田産業にも手伝って貰う事になりました。ところが、この本田産業はA社の仕事に不慣れであり、コミュニケーションも不足しています。結果的に、この本田産業の仕事がボロボロで、大手メーカーのラインは止めるし、大変なクレームになって仕舞いました。

大手メーカー担当者:
「何だ、お前のところは! 仕事くれ、くれって熱心に営業が来るから仕事を出したけれど、話にならん。億単位の損害賠償を請求することになるので、そのつもりで」

結局、二度と仕事は取れず、信用はガタ落ち。損賠賠償も発生し、A社は倒産寸前の状態に陥りました。

これが “機会” であり、プラスのリスクです。最初は、A社も喜んだと思いますよ。あの大手から仕事が取れた! って。しかし、新しい機会 (チャンス) が生まれても、同時に新たなリスクも生まれ、結局、大きな損失に繋がった例です。上記の例は抽象的に書いていますが、実話でもありますよね。結果論ですが、このA社は、実際に仕事が取れたらどういう状況になるか、想定していなかったことになります。事前のリスクの把握ですね。

本当に受注出来るのか否か、生産能力や品質面、価格面 (利益の確保) に加え、協力会社との協力体制 (チェーンサプライ) も含めて検証したうえで、確実なところで受注する。この十分な “検証活動” が無いととんでもない事になります。

また、事前のリスクの把握は、ある意味で “経験” の世界だと考えています。ベテランはそれだけ過去に失敗をしていて、その経験こそが企業にとっての 「組織の知識」 であり、財産です。ベテラン社員のノウハウや技量も大切ですが、こういった失敗を企業としてどう活かすのか? 大切な問題ですね。

今日はこの辺で!


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