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…渡辺コンサルの独り言…

(2015年7月26日付)

〜 FDIS について〜

まさに盛夏 ! ですね。暑い ! の一言です。前回の “独り言” で 「梅雨明けが待ち遠しい」 と書いたのですが、その日がちょうど梅雨明け。(笑) 何とも恰好つかない、私らしいずっこけでした。それから、先週は審査で豊橋に行っていたのですが、「私が傘を買うと天気が回復する。」 というジンクス (?) がまた大当たり ! 結局、使ったのは最寄りの駅前でタクシーに乗るまでの 1 分足らず。帰路は、雲が多いものの日も差し、良い天気。邪魔な傘と一緒に帰宅しました。(やれやれ・・・。)

[今回は 9001 に絞ります。14001 は次回 ! 管理会計の事を少しでも書きたいので、ごめんなさい。]

さて、品質と環境の FDIS が出ましたね。DIS 版とあまり変わらないという前情報があったので、ちょっと意外なくらい変更 ・ 追記がありました。私の感想ですが、経営者目線の、経営者のためのマネジメントシステムという方向性が (今までの MS もそうだったのですが) より鮮明になりましたね。経営者がその組織を運営するためのノウハウ本という感じがします。しかも、要求事項が今まで以上に詳細になり、「そこまで要求するか ?」 という感じ。ハッキリ言って “余計なお世話” 的な印象すらあります。

それは兎も角、大きく変化したのは 「リーダーシップ」 「品質方針」 「リスクと機会」 そして 「マネジメントレビュー」 ですね。例えば、「 5.1.1 リーダーシップ」 の以下の一文は象徴的です。(一部抜粋)

まず、「4組織の状況」 には以下の注記 1 が入りました。

注記 1 :
課題は、検討の対象となる、好ましい要因または状態、及び好ましくない要因または状態が含まれる。

というように、「好ましい要因及び状態」 という解釈が入りました。

5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.1.1 一般
トップマネジメントは、次に示す事項によって品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。
a ) 品質マネジメントシステムの有効性に説明責任 ( accountability ) を負う。
b ) 品質マネジメントシステムに関する品質方針及び品質目標を確立し、それらが組織の状況及び戦略的な方向性と両立することを確実にする。

また、品質方針では、次の一行が追記されています。

a ) 組織の目的及び状況に対して適切であり、組織の戦略的な方向性を支援する。

加えて、6.1 リスクと機会には以下にある b) 項が追記され、さらに注記 2 では “機会” の定義というか、解釈が入りました。「リスクと機会」 は一連のものではあるものの、従来の解釈から一歩踏み出しました。

6.1.1 品質マネジメントシステムの計画を策定するとき、組織は、4.1 に規定する課題及び 4.2 に規定する要求事項を考慮し、次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。
a ) (略)
b ) 望ましい影響を増大する。
(以下、略)
注記 2 :
機会は、新たな慣行の採用、新製品の発売、新たな販路の開拓、新たな依頼人への取り組み、パートナーシップの構築、新たな技術の使用、及び、組織のニーズ又は顧客のニーズに取り組むためのその他の望ましくかつ実行可能な可能性につながり得る。

そして、「マネジメントレビュー」 の一般では以下のように戦略的方向性という文言が入りました。

9.3 マネジメントレビュー
9.3.1 一般
トップマネジメントは、組織の品質マネジメントシステムが引き続き、適切、妥当かつ有効で更に組織の戦略的方向性と一致していることを確実にするために、あらかじめ定めた間隔で、品質マネジメントシステムをレビューしなければならない。

このように、今までの ISO9001 とは明らかに性格が違う。どちらかと言うと今までは “守り” = ミス ・ ロス ・ クレームを出さない。間違いの無い仕事 = 顧客満足といった印象が強かったのですが、今回の改定で “攻め” というか、組織の戦略的な意思決定と能動的な活動を促す = 規格として要求する、というニュアンスが入ってきたように思えます。

という事は、今後、経営者はマネジメントシステムの構築や運営を部下に任せっぱなしはダメよ ! という事になります。経営者自身がよくマネジメントシステムを理解し、会社の社業を発展させるために QMS や EMS をどう使いこなすか ! という事が重要。社長の 「あとはやっとけよ。」 はもう通用しません。

今回、マネジメントシステム経営研究会を立ち上げた理由は、まさに企業経営 (会計) とマネジメントシステムの一体化を目指したものであり、我が意を得たり ! の感があります。

さて、本題。会計には財務会計と管理会計があります。「財務会計」 とは、財務諸表を核とする会計情報を、企業外部の利害関係者 (株主、債権者、徴税当局など) に対して提供することを目的とする会計である。
経営者や企業内部の管理者に対する情報提供を目的とする管理会計とは内容が大きく異なる。と Wikipedia にあります。つまり、過去一年間の決算書を作成し、税務署に出したり、株主総会に提出したりすることが目的で、会社の一年間の営業活動を報告するもの、つまり、「過去会計」 ということになります。
これは我々の審査でいう 「この 1 年間または 3 年間、どうでしたか ?」 と同じで、過去はどうだったかという視点で、悪く言えば、今更言っても始まらないところがあります。

ところが、過去ではなく現在から未来に向かって収益をどう上げていくか、企業の目的である 「売上や収益をどう増大させていくか」 という視点にたって現場管理に活用するための会計が 「管理会計」 なのです。
つまり、「未来会計」 ですね。この管理会計 (経営分析) と MS のデータ分析 ・ 改善活動を連動させられないか ? が研究会のメインテーマです。紙面が無くなりました。

今回はこれまで、また次回です。


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