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…渡辺コンサルの独り言…

(2016年7月31日付)

〜“へ” ひとつで大違い!〜

皆さん、今日は、今日で7月も終わり、本当に月日が経つのは早いものです。ところで関東もようやく梅雨が明けました。平年より7日遅い梅雨明けとか。まぁ、明けたら明けたで猛暑到来! 暑いというより熱いです。ジリジリと指すような日差しで、先日行った父島の日差しに負けません。父島、また行きたいなぁ。あれから早や、2週間が経ちました。いまだに撮った写真を眺める毎日です。また絶対に行こう!

標題で 「 “へ” ひとつで大違い」 と書きましたが、一体何のこっちゃ? と思われる方も多いと思います。

ここに二冊の本があります。1冊は、当然、JIS Q 9001 : 2015 − 要求事項であり、もう1冊は同じ日本規格協会から発行されている ISO9001 : 2015 ( JIS Q 9001 : 2015 ) 「要求事項の解説」 です。まぁ、我々を含め、この要求事項の解説を読んで勉強されている方も多かろうと思います。ところで、この2冊、1ヶ所だけ相違があるのです。(この件は規格協会に問い合わせますので、次回にでもご案内致します。)

相違というのは何処かというと、5.3 組織の役割、責任及び権限の e) 項にあります。この2冊の該当部分を並べてみましょう。

JIS Q 9001 : 2015 品質マネジメントシステム − 要求事項
5.3 組織の役割、責任及び権限
e) 品質マネジメントシステムへの変更を計画し、実施する場合には、品質マネジメントシステムを “完全に整っている状態” ( integrity ) に維持することを確実にする。
ISO9001 : 2015 ( JIS Q 9001 : 2015 ) 「要求事項の解説」
 5.3 組織の役割、責任及び権限
e) 品質マネジメントシステム変更を計画し、実施する場合には、品質マネジメントシステムを “完全に整っている状態” ( integrity ) に維持することを確実にする。

そう、  を引いた赤字のところが違いますよね。規格は “への” であり、解説書は “の” となっています。この “へ” ひとつ有るのと無いのとでは大きな違いがある事は直ぐにお分かりになるでしょう? 一体、どちらが正しいのでしょうか?

規格の 「品質マネジメントシステムへの 〜 」 という表現は、何か他のものを品質マネジメントシステムに “繰り入れる” “盛り込む” “変更させる” その際の品質マネジメントシステムにおける役割、責任及び権限の整合性に留意しろ! という意味に取られます。という事は、他のマネジメントシステムとの統合を念頭に置いた要求事項という事が言えると思います。でも、これは何も 9001 に限った話ではなく、14001 や 27001 など他の規格にも同じような規格要求があって良いと思いますが、如何でしょうか?

また、解説書の 「品質マネジメントシステムの 〜 」 となると、単純に品質マネジメントシステムの変更という事になりますが、反面、何で責任及び権限だけ整合性を取り上げるの? という素朴な疑問が生まれます。後述しますが、「 6.3 だけで良いじゃん! 」 と思います。

変更の管理については、特に 9001 規格は至る所で要求しています。顧客要求事項の変更も、設計 ・ 開発の変更も、文書化した情報の変更も・・・。これらは変更に伴うリスクの発生を防止するためだと理解していますが、それにしても多い。前述しましたが 5.3 の e) の他に、もう一つ、品質マネジメントシステムの変更について要求している箇条が有ります。また、製品及びサービスの提供において変更管理を要求している箇条もありますので、ついでに並べて見てみましょう。

5.3 組織の役割、責任及び権限 ( 9001 : 規格要求事項より )
e) 品質マネジメントシステムへの変更を計画し、実施する場合には、品質マネジメントシステムを “完全に整っている状態” ( integrity ) に維持することを確実にする。
6.3 変更の計画
組織が品質マネジメントシステムの変更の必要性を決定したとき、その変更は、計画的な方法で行わなければならない。( 4.4 参照)
組織は、次の事項を考慮しなければならない。
a) 変更の目的、及びそれらによって起こり得る結果
b) 品質マネジメントシステムの “完全に整っている状態” ( integrity )
c) 資源の利用可能性
d) 責任及び権限の割当て又は再割当て
8.5.6 変更の管理
組織は、製造又はサービス提供に関する変更を、要求事項への継続的な適合を確実にするために必要な程度まで、レビューし、管理しなければならない。
組織は、変更のレビューの結果、変更を正式に許可した人(又は人々)及びレビューから生じた必要な処置を記載した、文書化した情報を保持しなければならない。

この 6.3 は、単純に品質マネジメントシステムそのものの変更であり、8.5.6 は、製品及びサービス提供に関する変更であることは分かります。問題は、そう! 5.3 e) です。

<結論>
5.3 e) で “への” が正しいなら、規格の統合を見据えた内容になるかも知れないし、それなら 14001 も 27001 も同様の規格要求事項が有っても良いだろう。また、“へ” が正しいのならば、6.3 が有りながら、何で責任及び権限だけ、別途、整合性を敢えて言わなければならないのか?

それはそうと! 今回の 9001 規格の改訂内容は、ちょっとくどいですね。しつこいというか、同じようなことを何回も言っています。オジサンは読んでいて疲れる。皆さんはどう思いますか?

さて、5.3 項の件、ちょっと規格協会に聞いてみますね! 来週をお楽しみに!※8月31日のお申込が始まっています。皆さんもお早目にどうぞ!


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