株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
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…渡辺コンサルの独り言…

(2017年8月13日付)

〜審査の着眼点〜

皆さん、今日は! お元気ですか? 西日本は毎日猛暑が続いているようですが、こちら関東地方は厚い雲に覆われた日が続いています。いつ雨が降るか分からないので、折り畳み式の傘が手放せません。気象庁から日照時間に関する注意報が出ていますが、可哀想なのは子供達。折角のお盆休みなのにこの天気では、山や海の行楽地に行っても雲や雨ばかりで海やプールにも入れないだろうし、本当に可哀想。この天気、いつまで続くのやら・・・。
因みに、私は19日から24日まで小笠原諸島の父島に行って来ます。昨年に続いて2回目ですが、天気予報を見ると快晴!東京から南へ 1,000 ` の洋上、やはり違いますね。という訳で、20日の独り言は夏休みです。悪しからず!

さて、訳があり、数年前から関西のあるメーカーさんに時々伺っています。従業員は100人程度。技術者集団で、1台数千万円もする独創的な製品を大手メーカー向けにオーダーメイドで企画 ・ 設計し、組立てて販売する、そんな企業 (製造は全て外部委託) です。組織の管理責任者から某審査機関の定期や更新審査が終わると審査報告書がメールで送られて来るのですが、今回の “独り言” はこの審査報告書の内容について取り上げてみたいと思います。

その審査報告書は、所謂、客観的事実の羅列だけになっているのです。例えば・・・。

  • 市場、そして取引の状況 (販売先と販売した製品の内容とその価格)
  • 品質目標の達成状況 (営業プロセス)
  • 検査及び品質保証体制
  • 主要プロセスの運用状況  etc.

つまり、組織の活動の事実だけを書いて報告している。例えば、「○○について前年は何件だったが、今期は何件に増加した。」 という類ばかりです。まぁ、多少は審査員としての所見がある事はあるが、感想程度。しかし、事実を羅列し、報告することに何の意味が有るのでしょうか? そんな事は企業側も十分に分かっている訳で、こんな事を沢山書いても意味がない。確かに報告書である以上、どうしてもある程度は事実を記述する部分はあります。しかし、そればかりではいけない。審査員は、組織側が「成程、これは改善しなければ・・・。」 と思うような所見を持ち、指摘をしなければならないと思っています。

我々審査員の本来の仕事は、システム上の欠陥や改善点 ( MS の使い方) を指摘するのが主たる目的である筈です。例えば、以下のような指摘です。

<教育・訓練>

  • 現場は、経営者が意図した結果 (事業方針と売上 ・ 利益の達成) を達成するために必要な教育 ・ 訓練を行っているか? 技術面、品質面、作業効率、クレームの再発防止等々。
  • 営業プロセスは売上 ・ 利益に繋がる教育 ・ 訓練を行っているか? 製品知識や新技術の導入、他の事例等。
  • 果たして、教育の成果は出ているのか? また、その結果は経営者に報告され、経営者は満足しているか?

<外部提供者の評価>

  • 外部提供者が持つ生産能力と保有する機械 ・ 設備、そして技術力 (者) の優位性、機動力 (輸送 ・ 即応体制) を評価しているか? これら情報は共有化されているか?
  • 外部提供者が持つ組織的なリスク (高齢化、技術の導入の遅れ、老朽化、トラブル再発防止への取組みの不備、ワンマン経営と退職者の増加等々) を評価しているか?
  • 企画 ・ 提案力、営業面での協力 (価格面)、販売する製品群の豊富さ、サービス面でのきめ細やかさを評価しているか? *ハード、ソフト両面での評価を行っているか?
  • 我が社に対する外部提供者の依存度はどの程度か?
  • 外部提供者のクレーム発生件数は?再発防止への取り組みは有効か?

<製造 ・ サービス提供プロセス>

  • 品質目標は適切か? 経営者が意図する結果を達成するための (事業) 計画と整合性が取れているか?
  • *製造現場では生産量 ・ 金額などを目標に置いている組織がありますが、これは営業成績に左右され、自分達の努力では達成できません。自分達の努力で達成できる目標に取り組んでいるか。また、目標達成における “リスク (阻害要因) ” を考慮した活動計画になっているか? 目標値設定の根拠は何か?
  • 過去のクレームや品質異常 (社内外) の再発防止への取組み状況は有効か?
  • *是正処置で実施した再発防止策はどのように維持しているか? その場限りのものになっていないか?
  • 予防処置 (リスクの予見) は効果的か? 例えば、製造業務は日々の製造計画や製造指図書の発行段階でどのようなリスクを予見しているか?
  • *まさにこの時の “リスクの予見” こそ、組織の知識である。
  • プロセスの指標 ( KPI : 重要業績評価指標) は何を設定し、9.1.3 で分析され、分析結果に対してどのような改善を行っているか? その効果は出ているか?
  • 発生原因だけでなく、流出原因を捉えているか? それぞれの原因は “真の原因” に至っているか?

まぁ、書いていくとキリがないのでこの辺で止めますが、こういった審査上の着眼点を、果たして審査員はどの程度まで理解し、審査上で確認しているか? 審査機関の審査における “品質マネジメントシステム” の問題 (審査員への教育) だと思います。
* 「我が審査機関はこういう審査をします」 の “こういう〜” が “品質” であり、それをマネジメントするための仕組みが 「品質マネジメントシステム」 です。

審査費用は安ければ良いというものでは無い。私は、審査では上記のような着眼点のうえに、さらにコスト (本来は不要なコスト) との関連に着眼します。MS の導入は、会社の損益計算書や貸借対照表と密接に繋がっているのだという事を理解して貰いたいですね。

今回はこの辺で。来週の “独り言” は夏休み、毎日、快晴の父島に行って来ま〜す。

小笠原の風景1 小笠原の風景2 小笠原の風景3


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