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…渡辺コンサルの独り言…

(2017年9月3日付)

〜教育方針と記録〜

皆さん、今日は! いよいよ9月です。本当に一年は早いですね。ところで、小笠原諸島に台風15号が停滞しています。8月28日に発生し、その後小笠原諸島周辺に居座り続け、昨日当りからようやく北に向けて動き始めました。私達が滞在した8月20日〜23日は、先週ご紹介したとおりの最高の天気が続き、空は青く晴れ渡り、海はベタ凪! あの父島、母島を経験しているだけに、4日も5日も台風が停滞した様子はさすがに気になります。宿の人達やスキューバダイビングなどでお世話になったスタッフの方々はどうされているか・・・。まだ影響が残っているとの事で、事故など起きませんように・・・。

さて、今日のテーマです。教育 ・ 訓練ですが、皆さん、ご存知のように9001規格も14001規格も、そして27001 : 情報セキュリティ MS も 7. 2 力量において教育 ・ 訓練に関する記録は要求されていません。
要求されているのは 「力量の証拠として、適切な文書化した情報を保持する。」 というだけです。ISO 9001 : 2008 規格では、「 6. 2. 2 e) 教育、訓練、技能及び経験について該当する記録を維持する。」となっており、明らかに大きな変更と言えます。

ところで、ここで議論しなければならない点は、何のための教育 ・ 訓練なのか? という事です。2012 年に発行された付属書SLに基づいてISO (/ IEC) から様々な規格が作成されていますが、これら規格の中心テーマとして、ご存知 「リスクと機会」 という概念が入ってきました。リスクとは 「不確かさの影響」 と定義されていますが、要は、企業として取り組まなければならない 「外部に起因する、又は、内部に起因する課題」 です。確かではないもの (不確実) です。もっと分かり易く言えば “弱み” とも言える。SWOT 分析の概念が導入された事はご存知の通りですが、その中で経営者から企業としての弱みが明確にされ、その弱みに対して企業はどのように取り組んでいるのか? これが、特に 9001 規格の主題の一つとも言えますが、その “弱み” に対する取組みにおいて “教育 ・ 訓練” はどのように位置付けられているのか? ここがとても重要に思えます。「企業は人なり」 です。
*経営者は企業の弱みについて、どの程度弱いのか、定量的に把握する必要があります。

経営者にとって、果たして教育 ・ 訓練とは何か? 経営戦略とも深く関係し、そして企業が目指す機会 (今まで出来なかったことが、弱みが解決された結果、出来るようなった。その結果得られる “チャンス” ) を達成するための教育 ・ 訓練とは、どうあるべきなのか? 何を教育し、社員にどういうスキルや知識を身に付けて貰い、企業としての付加価値も含め、どうありたいのか? そして、教育 ・ 訓練を通じて弱みをどう克服したいのか? さらには、強みをどう伸ばしていくのか?

これら教育の方向性=教育方針と現場の教育が一体となったものでなければならない。という事は、経営者はどのような経営戦略を持ち、その実現に向けてどのような教育 ・ 訓練を行っているのか? その成果は、企業としての方向性と合致し、有効性が確認されているのか? また、弱みの解決と機会の創造に繋がっているのか? 我々審査員は、現場の審査においてこの検証が必要となってきます。

もう一つ重要なのは 「力量の証拠とは何か?」 という事です。この証拠とは、教育 ・ 訓練の記録なのか、公的資格 (技能 ・ 技術力) なのか、経験なのか? 何れにしても、この “力量の証拠” を定義するのは企業である、という事です。皆さんで考えて下さいね。
以前、審査で伺った企業さんに、教育 ・ 訓練の記録を分厚いファイルで保管している会社が有りました。「凄い量ですね」 というと、管理責任者が 「教育をするたびに記録を残すことが習慣になっている。」 と言っていました。「で? この記録は何に使うのですか?」 というと返答は有りませんでした。要は作っているだけなのです。「 ISOが記録を取れと言っているから取っている」 との返答も有りました。

話は元に戻します。規格は教育 ・ 訓練の記録を要求していません。力量の証拠を定義し、その証拠が提示されれ、さらに、その証拠の妥当性が高ければ審査上は問題有りません。ここで考えなければならないのは、自分達にとって必要な教育 ・ 訓練の記録とは何か? 何故、教育 ・ 訓練の記録を作成し、何に使うのか? 改めて原点に戻って考えなければなりません。皆さん、何のために教育 ・ 訓練の記録を作成していますか? 今までは 「ISOが取れと言っているから取っている」 と言っていた企業は、改めて考えなければなりません。

教育 ・ 訓練の記録を作成している時間も、経営者は人件費を払っています。マネジメントシステムは、売上 ・ 利益を出すためには必要ですが、その作業自体はお金を生みません。この点も考えたいです。如何にコンパクトに、最小限の活動に抑え、如何に最大限の効果を生み出すのか? これも生産性ですね。

どうか皆さん、考えて見て下さい。この秋、審査に伺う企業さん! この質問をしますよ!

今日はこの辺で。


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