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…渡辺コンサルの独り言…

(2015年10月18日付)

品質目標 〜組織の品質とは?〜

秋の爽やかな季節を迎えています。先週の半ば、審査の事前打ち合わせで福島へ電話したところ、朝晩は10度を下回り、上着が無いと寒いとの話でしたが、日中は過ごし易いのではないでしょうか? また、これからは紅葉の季節、温泉につかってのんびりとしたいものです。皆さんのお住まいの地域は如何ですか?

さて、品質目標です。この品質目標も以前から書きたかったテーマです。この品質目標について、そもそもの長年の疑問があって、それは 「何故、組織にとっての “品質” の定義をさせないか」 という事です。つまり、規格要求事項には 「組織における品質を定義しなければならない。」 という要求が無いのです。2015年版も同じ。しかし、この品質の定義が無いが故に、品質目標は、例えば営業で言えば売上目標や新規獲得件数を入れたり、現場では不適合やクレーム件数の低減を挙げたりと、解釈のバラツキが出ていると思うのです。

それでは、売上高は品質なのか? 確かに、「お客様の信頼と満足を得て、その結果としての売上高である」 という解釈は出来ると思います。しかし、それは現場の製造やサービスの協力や、時には彼らの献身的な努力があってこその結果であり、営業だけの成果では無い。第一、“品質” と “売上” は、ある意味で “原因” と “結果” ではあるものの、決してイコールではない。それから新規顧客獲得件数を挙げている組織もありますが、これは議論の余地がありません。新規顧客を獲得する事が品質ではありません。また、現場にしても不適合件数やクレーム件数の低減を謳っている組織が多いのですが、不適合が無い事、クレームが無い事が品質なのか? これも違和感があります。お客様に迷惑を掛けない事や社内のミス ・ ロスを減らすことが品質なのか? 違いますよね? また、「ISOで言っている品質とは経営品質なのだ。」 という人もいますが、“経営品質” というと何処か内向きな印象があります。皆さんはどう思われますか?

品質マネジメントシステムという以上、先ず、当社の品質とは何か? この根源的な問い掛けがあるべきです。わが社は社会のどのマーケットに対し、何 (製品やサービス) を提供するのか、何をもってわが社はこの社会に存在するのか。そして、どう社会に貢献していくのか? という問いに対して明確な考えを経営者は持っていると思うのです。そのうえで、その熱い想いが品質方針に謳われるし、だから、規格も 「組織の目的及び状況に対して適切であり、組織の戦略的な方向性を支援する」 ( 2015 年規格 : 5.2.1 品質方針の確立 a項) と規格で要求しているのだと思います。そして、そのうえで 「当社の製品やサービスの品質って何?」 という話になります。

駅前の立ち食い蕎麦屋の品質と、京都の一流割烹の品質は違いますよね。これは、製品である料理そのものの他に、お店が持つ雰囲気や使う食器、造作、構造、調度品・・・、ありとあらゆるものが違います。立ち食い蕎麦屋で京都の割烹が出すような高級料理を出して何千円も取ったらおかしいし、先ず、お客さんが入らない。これは逆も真なりです。

ところで、立ち食い蕎麦屋に求められるものは何か? 「安く、早く、旨く」 ですよね? これが、組織にとっての “品質の定義” の根本です。これがズレてくると経営が危うくなります。顧客が見えていない。

立ち食い蕎麦屋の蕎麦 ・ カレー ・ うどん等は “それなりに旨い事” が求められます。それなりに旨ければ、他社との “味” について競争原理は働かないのか? これは違います。今回のテーマの本質はここなのです。
私は、同じ立ち食い蕎麦屋でも 「ゆで太郎」 のお蕎麦は大好きです。腰があり、旨い! また、店内にも 「私達は美味しい蕎麦を食べて頂きたくて、ゆで太郎を始めました。」 と、明確に書いてあります。また、蕎麦の三たて、つまり、“挽きたて、打ち立て、茹でたて” が一番美味しいとも言っています。経営者の理念です。
これらはハッキリと品質方針であり、ゆで太郎は明確に差別化戦略を取っていると思います。そして、これら品質方針を達成するために、各部門 (調理部、仕入部、店舗開発部など) は具体的に何をするの? という展開を品質目標の中で定量的に判断出来る基準を作り、日々、美味しい蕎麦を食べて貰うために、皆、頑張っているのだと思います。その結果、私のような “ゆで太郎ファン” が増え、売上が伸び、みんなハッピーになります。これぞまさに、「組織の目的及び状況に対して適切であり、組織の戦略的な方向性を支援する」 です。
※ 因みに、ゆで太郎さんがISO9001を導入しているか否か、私は全く知りません。念のため!!!
※ ゆで太郎さんの蕎麦はお勧めです。騙されたと思って一度食べて見て下さい。本当に美味しいですよ!  (顧客満足:私の個人的な感想です。)

さて、以上どうですか? 品質についてこう書くと、上から下まで話がすんなりと通りますよね。しかし、最初に戻りますが、規格は組織に品質の定義を求めていません。何故?

ここからは私の邪推ですが、ISOは品質マネジメントシステムと言いながら、品質に留まりたくないのだと思うのです。9001 : 2015 年度版 (IS) を読んでいてもそう感じますね。そして、環境も、労働安全も、情報も、みんな一つの組織活動のある側面だよね? って言いたいのではないか? つまり、経営マネジメントシステムにしたいのでは? と思っています。しかし、経営システムとすると人事も経理も労務も経営企画も、何もかも入れた規格要求事項にしなければならないので、一つだけ取って品質MSとしたのでは? と勝手に思っています。そして、環境も労働安全も情報セキュリティも別の規格にして、統合出来るようにした・・・。違うかな?

このコラムはあくまでも “独り言” ですからね! 皆さん、勘違いなさらないで下さいよ! 「渡辺コンサルがああ言っているから。」 なんて、無しですよ!

最後に、マネジメントシステム経営研究会の基本的な考え方を改めてご紹介します。

MS側 :不適合やクレームの発生件数 ・ 発生部署 ・ 発生原因と統計的な分析 (不良率 ・ 歩留まり)、生産 (計画 ・ 実績) の進捗状況、稼働率、操業度、在庫量など現場では様々なデータが取れるが、これらの中でどれ位余分な経費が掛かり、どれ位ムダな経費 (廃棄分含む) が出ているか分からない。
経理側 :材料費、労務費、経費など、様々な金額は把握できるが、何が原因でこの金額 (費用) になるか分からない。つまり、現場で何が起きているかは分からない。

このMS側と経理を連動させる事により・・・、

  1. 損益計算書には現れないムダな経費を炙り出し、利益率を改善し、損益分岐点を下げる活動(原価低減活動の一環)。(好ましくない影響を防止又は低減する。)
  2. 品質目標の達成や良い品質を安定して提供する事により “売上” を拡大させる。(好ましい影響の増大)

これら、MSを使いこなす、例えば、クレームや社内不適合 = 損失の原因を究明し、再発防止 = 利益損失の再発防止を図る。未然防止 = 利益損失を未然に防ぐ。また、データ分析で傾向を掴み、改善すべき点を把握し、損益分岐点を左にシフトさせる。このようにMSをどう使いこなしていくか、ノウハウを検証し、社会に遍く周知する事。これが当研究会の目的です。

兎に角、会社経営のためのMSを使いこなすノウハウが無いし、知られていない。そう思いませんか?

今回はこの辺で。


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