株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
トップページ
データ経営構築と運用
審査の現場から
内部監査員養成講座
会社案内

…渡辺コンサルの独り言…

(2015年11月1日付)

〜監視、測定、分析及び評価(1)〜

皆さん、今日は、もう11月ですね。11月は弊社にとって一年のうち最も多忙な月で、毎年バタバタしているうちにあっと言う間に過ぎてしまいます。ハッと気が付くともう12月で、その12月はもっと早く終わり、一年があっと言う間に終わって新年を迎える。毎年この繰り返しです。来年は私も還暦! まさか自分がそんな歳になるとは思ってなかった。皆さん、如何お過ごしですか?

ちょっと宣伝ですが、11月10日発売の業界紙アイソス12月号に、私が書いた記事が掲載されます。MS と企業会計の一体化に関する記事ですが、ご興味のある方はお買い求め下さい。また、アイソスという業界紙は大変に参考になる記事が多く、皆さんのお仕事のお役に立つと思います。定期購読を御勧めします。

さて、プロセスの監視及び測定です。ISO9001 : 2015 は、プロセスの監視及び測定という面で 2008 年度版より遥かに要求事項が詳細になり、また、内部監査やマネジメントレビューへのインプットとしての位置付けが、2008 年度版に比べてハッキリ、明確になった感があります。2015 年度版には以下の要求事項があります。(一部抜粋)

9.1 監視、測定、分析及び評価
9.1.1 一般
組織は、次の事項を決定しなければならない。
a) 監視及び測定が必要な対象
b) 妥当な結果を確実にするために必要な、監視、測定、分析及び評価の方法
c) 監視及び測定の実施時期
d) 監視及び測定の結果の、分析及び評価の時期
(以下、略)

つまり、監視及び測定の対象となる “プロセス” の特定と分析 ・ 評価方法、時期を明確にしろと言っています。この 9.1.1 の一般が言わんとしている主旨は、2008 年度版の 8.2.3 プロセスの監視及び測定を、さらに詳細にした内容です。
また、これに続く 9.1.3 分析及び評価では、分析の対象、つまり、監視 ・ 測定の対象を明確に示しています。ただ、以下に示すように、範囲は大変に広範で、また、意味もちょっと抽象的なところもあります。ここは解釈に幅が出そうな感じがしますね。まぁ、解釈は企業に任せるという事でしょう。

9.1.3 分析及び評価
(略)
a) 製品及びサービスの適合
b) 顧客満足度
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性
d) 計画が効果的に実施されたかどうか
e) リスク及び機会への取組みの有効性
f) 外部提供者のパフォーマンス
g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性
注記 : データをする方法には、統計的手法が含まれ得る。

解釈が分かれると言いました。特に d) の計画ですが、何の計画なのか? について判断が分かれそうです。計画というのは、例えば、“品質マネジメントシステムの計画” の計画を指す、という理解もあれば、経営計画や事業計画だ、という理解もあります。また、販売計画や生産計画もあるでしょう。しかし、品質マネジメントシステムの計画と理解すると、c) の品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性、との違いが分かり難い事になります。
また、e) のリスク及び機会への取組みの有効性ですが、この対象となる取組み = プロセスとなると大変に広範になります。教育プロセスかも知れないし、販売プロセスかも知れないし、購買や製造プロセスかも知れません。企業の強みや弱み、企業の課題、経営者 (層) の問題意識と密接に関係しています。

ただ、ちょっと話は横に逸れますが、9.1.3 項で忘れてはならないのが、“誰が” です。審査を通じて 「マネジメントシステムの効果が中々出ない」 という組織を時々拝見します。例えば、「クレームや社内不適合が減らない」 「品質目標が定着しない、認識が低い、取組が進まない。」 というものです。これは、実施責任者や運用担当が不明瞭であったり、責任の所在、運用 (仕組み) 自体が曖昧だったりするケースが大半です。つまり、5W1H が曖昧なまま、システムを運用してしまっている。誰が、いつ、何を、どのようにという点が決まっていないのです。話は戻りますが、この 9.1.3 項の分析 ・ 評価においても 「誰が実施するのか」 という点は明確にしておきたいですね。

また、9.1.3 項へのインプット情報、逆にいうと、各部署や各プロセス (業務) からのアウトプット情報を決めていない、これも不明瞭な組織が多い印象があります。評価する責任 (担当) 者に対して、自部門は、いつ、どのような情報を整理し、何を提出するのかという事です。例えば、f) 項の外部供給者のパフォーマンスとありますが、皆さん、外部供給者のパフォーマンスって、何を考えますか? 誰が、どのようなデータを日常的に把握し、そのデータを、いつ、誰が、どのように分析し、データ分析結果から何を導き出そうとしているのか? この辺りはまさにマネジメントシステムの計画、システム構築と実施、有効性の判断です。

最後に、マネジメントシステム経営研究会の基本的な考え方を改めてご紹介します。

MS側 :不適合やクレームの発生件数・発生部署 ・ 発生原因と統計的な分析 (不良率 ・ 歩留まり)、生産 (計画 ・ 実績) の進捗状況、稼働率、操業度、在庫量など現場では様々なデータが取れるが、これらの中でどれ位余分な経費が掛かり、どれ位ムダな経費 (廃棄分含む) が出ているか分からない。
経理側 :材料費、労務費、経費など、様々な金額は把握できるが、何が原因でこの金額 (費用) になるか分からない。つまり、現場で何が起きているかは分からない。

このMS側と経理を連動させる事により・・・、

  1. 損益計算書には現れないムダな経費を炙り出し、利益率を改善し、損益分岐点を下げる活動 (原価低減活動の一環)。(好ましくない影響を防止又は低減する。)
  2. 品質目標の達成や良い品質を安定して提供する事により “売上” を拡大させる。(好ましい影響の増大)

これら、MSを使いこなす、例えば、クレームや社内不適合=損失の原因を究明し、再発防止=利益損失の再発防止を図る。未然防止=利益損失を未然に防ぐ。また、データ分析で傾向を掴み、改善すべき点を把握し、損益分岐点を左にシフトさせる。このようにMSをどう使いこなしていくか、ノウハウを検証し、社会に遍く周知する事。これが当研究会の目的です。
兎に角、会社経営のためのMSを使いこなすノウハウが無いし、知られていない。そう思いませんか?

今回はこの辺で。


Copyright (C) 2006-2007 Watanabe Consulting Office CO.,ltd. All Rights Reserved. | 個人情報保護方針