株式会社 渡辺コンサルティングオフィス
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…渡辺コンサルの独り言…

(2015年12月6日付)

〜今年の審査を振り返って(2)〜

皆さん、今日は、いよいよ寒くなってきましたね。先週は3日 (木) の夜、栃木県今市市に入り、4日 (金) 終日コンサルをして夕方千葉に戻ったのですが、やはり今市市 (日光市の隣) は寒い!
東武線の特急と各駅を使って私の住む鎌ヶ谷に戻ったのですが、寒さの桁が違います。千葉は暖かいですね。コンサル先は産業廃棄物の中間処理の会社、屋外の仕事です。真冬の朝は氷点下、寒いので大変だと仰っていました。皆さんのお住まいの地域は如何でしょうか?

さて、今年の審査を振り返っての第2回目です。今回は、以前も書いたのですが、品質について書いてみたいと思います。というのも “品質” に対して正面から向き合っていないのでは? と思う節があるのです。

「美味いラーメン屋は儲かる。不味いラーメン屋は儲からない。」

この言葉は僕の口癖です。美味いラーメン屋は、あのラーメンが食べたくて、お客さんは自ら足を運んでお店に来てくれます。誰も来てくれと言っていないのに、あのラーメンが食べたいからお客さんは勝手に! また来るんですね。顧客の口コミもあります。「あそこのラーメンは美味い! 一度行ってみろ。」 って、お客さんが営業してくれます。ところが、不味いラーメン屋は、一度入ったらもうお客さんは来ない。絶対に来ません。だって、同じお金を払うなら美味しいものを食べたいのは当然!当たり前。

これは商売の鉄則だと思うのです。それじゃ、皆さんの会社は 「美味いラーメン屋ですか?」 と聞きたいのです。この出発点は規格でいう 「顧客満足」 に他ならない。顧客がどのように受け止めているか、これを把握し、製品 (サービス) にフィードバックして、さらに良い製品、顧客の問題解決に繋がる製品 (サービス) を提供し、お客さんに喜んで頂く。売上が伸びる! 利益が出る! 社員も給料が増えて幸せ! お客さんも幸せ! この連鎖しかないと思います。審査を通じて色々と見てきましたが、出発点であるこの顧客満足の捉え方がどうも上手くない (美味くない!) そして 「製品品質」 に向き合っていない。そう感じます。

ラーメン屋は、ラーメンを食べているお客さんが目の前にいます。食べている様子が分かるし、麺や具、スープまで飲み干していけば 「あぁ、ウチのラーメンが好きなんだなぁ」 と分かります。いつしか常連にもなってくれる。反面、スープどころか麺も具も残して、黙って店を出ていく。そして二度と来ない。こんなラーメン屋は昼時でも空いています。当然、お客は入らない。店の主人は 「景気が悪いから」 とか、「近くに大型店舗が出来たから」 とか言い訳をしますが、自分が作っているラーメンが不味いとは思わない。

皆さん、この話、心当たりはありませんか? そしてもう一度聞きます。皆さんの会社は美味いラーメン屋ですか? もう一つ、顧客が御社の製品 (サービス) の何処に満足しているか、把握していますか?

“ISOがやれと言うからやっている” 顧客アンケートですが、良く見る例は、アンケートの項目に 「品質」 「納期」 「価格」 「サービス」 「提案状況」 といった質問をしているケースです。これは多い。判で押したように同じ質問を見ます。でもね! 「ウチの品質、どうですか?」 って聞かれて、どう答えます?

例えば、トヨタ自動車。トヨタから 「ウチの品質、どうですか?」 って聞かれて、皆さん、どう答えます? 答えられますか? それよりも、「この春、買って頂いた〇〇新型車、乗り心地は如何ですか? シートの手触りや色、座り心地はどうですか? また、ハンドルは新たに〇〇というレザーを使いましたが、握り具合はどうですか? 操作性はどうですか?」 というようにポイントを絞って聞けば、答える方も、一つ一つ、丁寧に答えられます。また、聞く方もお客さんの細かなニーズを引き出す事が出来るというものです。

ある大阪の会社での審査、「営業さんは何を知りたいですか?」 と聞くと 「ウチの担当営業の営業姿勢、提案状況の他に、ウチの (相手先企業における) シェアを知りたい。」 と言っておられました。ほら! アンケートの内容と、知りたい事が全然違う! この会社もアンケートで 「品質」 「価格」 「納期」 と聞いていた企業さんです。そもそも 「担当営業の営業姿勢や提案状況」 は、その会社の “品質” を構成する重要な要素ですよね。

品質って何だろう? 皆さんの会社は何を製造し、何を顧客に提供していますか? その製品やサービス自体をしっかり見つめて、どうしたら差別化した、他社との優位性を確立出来るか? その窓口こそが「顧客満足」の捉えだと思います。

例えば・・・

  1. セブンイレブンですが、私の大好きな 「冷やし中華」 (季節感が無くてすいませんね) は、発売以来25回も味を変えたそうです。顧客に飽きさせないよう、研究を重ね、常に微妙に味を変えているのです。この姿勢は学びたいですよね。
  2. ある大手段ボールメーカーの話です。皆さん、段ボール (A式) を開ける時にどうやります? 先ず、天井、所謂、蓋の真ん中のテープをカッターで切り、サイドのテープも切って、そのうえで開きますよね。このメーカーさん、蓋の四隅にミシンを入れ、開梱する際に蓋のヘリに手を入れるようにし、バリっと一気に開けるように工夫をしたのです。
    量販店など開店前の製品 ・ 商品を出す作業というのは時間との闘いで、短時間に沢山の段ボールを店内に運び込み、ドンドン開梱し、ドンドン製品や商品を並べなければなりません。その手間を少しでも軽減させようと、“段ボールを開ける” という点に着眼したのです。これは作業時間の短縮 = 人件費の軽減 + 作業負担の軽減に直結した提案です。ただ段ボール箱を作れば良いと言うのではなく、段ボール箱がどういう使われ方をしているのか? 直接、作業現場に入り、段ボールという機能に改めて着眼し、顧客の見えない問題点の解決に寄与しています。

審査では、どの企業に伺っても 「顧客の品質要求が厳しくなった」 と聞きます。印刷にしても、段ボールにしても、僅かな印刷の汚れやピンホールも不可 = クレームとなって、沢山のやり直しが発生していると言います。買い手、製品 (サービス) を買う側の気持ちも分からない訳ではありませんが、どうも本質と違う議論をしているように思えてなりません。本来の品質と違う、購買先の粗探しが受入検査なのか?

自分達が顧客に提供している製品 (サービス) は何か、どうしたもっと良い製品 (サービス) + 付加価値を提供できるのか? お客様の声を真摯な気持ちで聴き、この問題に正面から向き合い、全社一丸となり、優れた製品品質をもって世の中に貢献していく。これが 「品質マネジメントシステム」 が目指す “組織” であり、組織の運営モデルです。

御社のラーメンは美味しいですか?

今回はこの辺で。


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